スマホに飽きた高校生が増えている理由とは?
高校生の遊び=スマホ。そんな時代が続いてきましたが、最近「なんだか飽きてきた」「スマホじゃ満足できない」と感じる高校生が増えています。情報が溢れ、刺激に慣れてしまった今、リアルな体験や人とのつながりを求める声が強まっています。
ここでは、なぜ多くの高校生がスマホに飽きているのか、その背景にある心理や社会的な変化を深掘りしていきましょう。
スマホ疲れがもたらす高校生の日常への影響
「なんとなくスマホを見てるだけなのに、気づけば1時間経ってる」。そんな感覚を覚えたことがある高校生は多いのではないでしょうか。スマートフォンは便利な反面、無意識に時間を奪われる存在でもあります。YouTube、TikTok、Instagramなど、エンタメコンテンツが無限に流れてくる今、私たちは暇さえあればスマホを手に取る習慣がついています。
ところが、この「受け身の楽しさ」は、長く続くほど刺激を感じにくくなり、結果的に「飽きた」という感覚を生み出します。いわゆる“スマホ疲れ”と呼ばれる状態です。これはただの退屈ではなく、集中力の低下や睡眠障害、ストレス増加など心身に影響を及ぼすことが研究でも報告されています。
特に思春期である高校生は、感情や神経がまだ発展途上にあるため、このような慢性的なデジタル疲れに対して敏感です。日常の中でなんとなく「だるい」「楽しくない」「友達といても話題がない」と感じるのは、もしかするとスマホが原因かもしれません。
SNS中心のコミュニケーションに潜む孤独感
「LINEしてるのに、心は通じていない気がする」。SNSは高校生にとって欠かせないコミュニケーションツールですが、それが真のつながりを築けているとは限りません。既読スルー、返信の速さ、既読がつかない不安――これらに一喜一憂する日常は、むしろ人間関係のストレスを増やしているケースもあります。
本来、人と人との関係は表情や声のトーン、間合いといった非言語的な要素を含めて深まっていくものですが、SNSはそれらを省略してしまいます。そのため、誤解が生じやすくなり、ちょっとしたやり取りで人間関係がギクシャクする原因にもなり得ます。
こうしたデジタルなやりとりに疲れた高校生たちは、逆に「リアルな会話」や「一緒に同じことをする体験」に飢えていきます。ボードゲームのようなフェイス・トゥ・フェイスの遊びが再評価されている背景には、このようなデジタル時代特有の孤独感があるのです。
スマホコンテンツの「消費」から「創造」への欲求転換
「何かを作ってみたい」「自分から動きたい」という感情は、受け身のコンテンツ消費に飽きた高校生が自然と抱く欲求です。SNSや動画は基本的に誰かが作ったものを見る、という受動的な体験に過ぎません。
しかし、思春期の高校生にとっては「自分も何かやりたい」「誰かと一緒に何かをしたい」という欲求が強まる時期でもあります。ボードゲームには、役割を考え、作戦を立て、リアルタイムで反応するという“創造性”と“即興性”が詰まっています。
また、友達とのやり取りの中で「どうしたら勝てるか?」「相手をどう出し抜くか?」といった思考が自然と刺激されるため、スマホでは得られにくい能動的な楽しさを感じやすいです。この“自ら楽しみを作り出す”感覚が、受け身のスマホコンテンツでは得られなかった新鮮さを提供してくれるのです。
「スマホじゃなくても楽しい」が当たり前になる転換期
「スマホなしでも意外と楽しめるじゃん」という経験が、高校生の価値観を大きく変えています。多くの高校生は「スマホ=最も楽しいもの」と思い込んでいますが、実際にスマホを手放して別の遊びをしてみると、そこには新しい発見があります。
例えば、文化祭の準備中にカードゲームで盛り上がったり、修学旅行の夜に人狼ゲームをやって爆笑したり――そんな瞬間が「スマホに頼らなくても楽しい」と気づくきっかけになります。これは、スマホの世界とは違い、「その場にいる人との空気感」や「反応の面白さ」を直接体験できるからこそ生まれる感覚です。
高校生という多感な時期に、こうしたリアルなコミュニケーションを体験することは非常に貴重です。それが、後の人間関係や社会性にも良い影響を与えることが研究でも示されています。「スマホ以外にも楽しみはある」と気づいた高校生たちが、次に求めるのが“アナログだけど奥深い遊び”=ボードゲームなのです。
なぜ今、リアルな遊び「ボードゲーム」が見直されているのか
「ボードゲームって古くない?」と思われがちですが、今、高校生の間でアナログな遊びが静かにブームになっています。カードゲームやボードゲームなど、かつては一部の趣味に思われていた遊びが、スマホに疲れた世代の間で再評価されているのです。
なぜ今、リアルなボードゲームが改めて注目されているのか。その背景には、スマホ時代だからこそ求められる「本物のコミュニケーション」と「体験」があります。ここでは、その理由を深掘りしていきましょう。
リアルな会話と表情のやりとりが生む安心感
「顔を見て話すだけで、なんかホッとする」。ボードゲームには、スマホでは得られない“リアルな会話”が必ずセットでついてきます。駆け引きをしたり、相談したり、笑ったり、悔しがったり。すべてが同じ場所・同じ時間に共有されるからこそ、深いコミュニケーションが自然と生まれるのです。
スマホのチャットやSNSでは、言葉だけでやり取りすることが多く、表情や声のトーン、ちょっとした間(ま)などが伝わりません。そのため、誤解が起きやすかったり、感情の伝わり方が薄くなったりすることもあります。
一方、ボードゲームをしている時間は、相手の反応が目の前にあるため、「今、この人は本当に楽しんでいるんだな」と実感できます。逆に「今、ちょっと落ち込んでるかも?」と気づくこともでき、人との距離感や気配りを育てる練習にもなります。
これは、高校生の人間関係にとって非常に重要なスキルです。クラスメイトや部活仲間と、ただ話すだけではなく、何かを一緒にすることで自然に仲が深まり、居場所のようなものを感じることができる。ボードゲームは、その“つながり”を作るツールとして注目されているのです。
「待つ」「考える」「譲る」体験が育てる社会性
スマホでは鍛えにくい“人と遊ぶためのルール”。ボードゲームはその練習場としても非常に優秀です。たとえば、順番を待つ。相手の話を聞く。時には勝ちを譲る。こうした行動は、スマホや一人遊びではなかなか経験できません。
最近は「即反応」「即満足」が求められる環境が当たり前になり、少しでも待たされるとイライラしてしまう傾向が強まっています。しかし、リアルな人間関係では、待つことや空気を読むこと、譲ることが非常に重要です。
ボードゲームでは、そうした“人間関係のリズム”を自然と学ぶことができます。たとえば、自分の番を待っている間に他のプレイヤーの動きを見て予測を立てたり、自分の勝ちよりもチーム全体のバランスを考えたりと、相手の立場になって考える機会がたくさんあるのです。
また、勝ち負けがはっきりするゲームも多いため、勝者は謙虚に、敗者は悔しさを受け入れるという心の成長も促されます。これは、将来社会で求められる「協調性」や「感情コントロール」といった能力にもつながります。
こうした“社会性”を楽しみながら自然に育てられる点が、ボードゲームの大きな魅力なのです。
デジタルとは異なる「手触り感」が脳を刺激する
「コマを動かす感触」「カードを配る手ごたえ」。デジタルでは味わえない“手触り”のある体験は、意外にも高校生の心に深く残ります。
スマホでの遊びは指先でタップするだけですが、ボードゲームには物理的な動作が伴います。サイコロを振る音、コマが進む感触、カードを引くドキドキ感――これらは五感をフルに使った体験であり、脳の異なる領域を刺激します。
教育の分野でも、「身体性を伴う学び」が記憶や理解に効果的であることが証明されており、ボードゲームのように“触れる・見る・聞く”がセットになった遊びは、単なる暇つぶし以上の価値を持っています。
また、視覚だけに頼らないアナログな遊びは、現実世界の感覚を再確認するきっかけにもなります。日常がデジタルに覆われている今だからこそ、「リアルな物に触れることの安心感」が新鮮に感じられるのです。
この“身体と脳がつながる感覚”は、一度味わうとクセになるもの。高校生たちが「もっとやりたい!」と感じるのは、単にゲームが面白いからではなく、このような感覚的な満足も関係しているのです。
「みんなで同じ時間を楽しむ」ことの価値再発見
「同じ空間で、同じことで笑う」――それがボードゲーム最大の魅力です。スマホゲームやSNSでは、たとえ同じゲームをしていても、時間も場所もバラバラ。完全に“個人の楽しみ”で完結してしまいます。
しかし、ボードゲームはその場にいる人すべてが同じルールで、同じ時間を共有し、同じテーマで盛り上がります。これが、現代の高校生にとってはとても新鮮に感じられるのです。
例えば、「全員が犯人を探している」とか「一緒に脱出を目指す」など、目的を共有する遊びは連帯感を強く生み出します。そして、ゲームが終わった後も「さっきのあれ、ヤバかったよね!」と話題が続くので、思い出にも残りやすいのです。
このような“時間の共有”は、実は友情や信頼を育む大事な要素です。同じ体験をしたことが、後々の関係性に深みを加えてくれます。人とのつながりが希薄になりがちな現代だからこそ、このような遊びの価値が再評価されているのです。
「楽しかったね」と笑い合える時間。それがスマホにはない、ボードゲームの本質的な魅力なのかもしれません。
高校生の放課後にぴったりなボードゲームの選び方
「ボードゲームってたくさんあるけど、どれを選べばいいの?」という疑問を持つ高校生も多いはず。実際、初心者向けから戦略的なもの、盛り上がり重視のパーティー系まで、ジャンルはさまざまです。
ここでは、放課後や休み時間にぴったりなボードゲームを選ぶためのポイントを、シーンや目的別に解説していきます。友達との関係性や遊ぶ時間帯を考慮して、自分たちに合った一品を見つけましょう。
人数に合わせたゲーム選びが成功のカギ
「2人で遊ぶのか?5人で遊ぶのか?」。これによって適したボードゲームは大きく変わります。放課後の空き時間や教室でのちょっとした集まりでは、集まった人数に柔軟に対応できるゲームが重宝されます。
たとえば2人だけで遊ぶ場合は、「対戦型」や「協力型」のゲームが適しています。互いにじっくりと戦略を考えるようなゲームが楽しめる時間になるでしょう。逆に4〜6人などグループで遊ぶ場合は、ルールがシンプルでテンポよく進行できる「パーティー系」がおすすめです。
中には「3人専用」「4人限定」といったプレイ人数に制限があるゲームもあるため、選ぶ際は必ず「対応人数」をチェックすることが大切です。放課後は時間も人数も流動的になりやすいため、1〜6人対応など柔軟なプレイ人数のゲームが理想的です。
また、学校の中で遊ぶ場合は「うるさくなりすぎない」「スペースを取りすぎない」といった制約も意識しましょう。そうした条件を踏まえた上で、最適なゲームを選ぶことが、“またやりたい!”につながるポイントです。
ゲームの所要時間で選べばスムーズに楽しめる
「時間が足りなくて途中で終わっちゃった…」。そんな残念な体験をしないためには、ボードゲームの「所要時間」に注目することが大切です。
ボードゲームは、数分で決着がつく超スピード型から、1〜2時間かけてじっくり楽しむ長時間タイプまでさまざまです。放課後にちょっと遊びたいなら、1プレイ10〜20分で終わるゲームがおすすめ。短い時間で複数回プレイできると、参加メンバーが入れ替わっても楽しみが継続します。
また、昼休みや移動時間などスキマ時間に遊ぶ場合は、5分以内で1ターンが終わる「超軽量ゲーム」が便利です。例としては、「キャット&チョコレート」や「ナンジャモンジャ」などが挙げられます。
逆に、休日や部活動後にゆっくり遊ぶ場合は、じっくり戦略を練る「中量〜重量級」のゲームも候補に入ります。こちらは、仲間内で腰を据えて遊ぶ際に最適で、記憶に残るほど濃い体験ができます。
所要時間を意識して選ぶことで、「途中で中断してしまった」「ルール説明に時間がかかって遊べなかった」といったトラブルを避けることができ、スムーズに楽しめるのです。
ルールの難易度と盛り上がりのバランスを考える
「簡単すぎても飽きるし、難しすぎても誰かがついていけない」。高校生が複数人で遊ぶ場合、ゲームの「ルールの難しさ」と「盛り上がりやすさ」のバランスを取ることが重要です。
たとえば、ゲーム好きな人たちならある程度複雑な戦略ゲームでも問題ありませんが、初心者が多いグループには、直感的に理解できるルールのほうが適しています。そのため、「初回プレイでも10分で覚えられるか?」が一つの基準になります。
また、盛り上がる要素として重要なのが「運と実力のバランス」です。運要素が強いと誰でも勝てる可能性があるため、初めてでも楽しみやすくなります。一方で、実力や戦略で勝敗が決まるゲームは、ゲーマー気質の高校生に人気があります。
代表的なバランス型のゲームとしては、「ワードウルフ」や「コヨーテ」、「ブロックス」などが挙げられます。これらは簡単ながらも奥が深く、毎回違った展開になるため飽きにくいのが特徴です。
どのゲームが向いているかは、参加するメンバーの性格や関係性によっても変わるため、事前に「ゲーム慣れしてる人が多いかどうか」を把握しておくと、選びやすくなります。
持ち運びやすさ・準備の簡単さも重要な視点
「カバンに入れて持ち運べる?すぐ遊べる?」。ボードゲームを学校に持って行くなら、サイズや準備の手間も重要な選択基準になります。
教室や部室など限られたスペースで遊ぶ場合、大きなボードや大量のパーツを使うゲームは不向きです。コンパクトな箱に収まり、机の上で完結するゲームが理想的です。たとえば「ラブレター」「ナンジャモンジャ」「インサイダーゲーム」などは、手のひらサイズでありながら奥深いプレイが楽しめます。
また、ルール説明に時間がかかるゲームも、放課後にパッと遊ぶには向きません。できるだけ説明が短く、初見でもすぐにプレイできるものを選ぶと、誰もがストレスなく参加できます。
準備に時間がかかるボードゲームは、それだけで「めんどくさいからやめよう」という雰囲気になってしまうこともあります。ですから、カードを配るだけ、場を並べるだけ、といった“起動の速さ”が高校生には求められます。
スマホゲームのように「すぐ始めてすぐ楽しい」を求める今の高校生にとって、手軽さと持ち運びやすさは想像以上に重要な要素です。
【シーン別】高校生におすすめのボードゲーム12選
「誰と」「どこで」「どんな風に」遊ぶかで、選ぶべきボードゲームは変わります。すべてのボードゲームが万能ではありません。そこで本記事では、高校生のリアルな日常に合わせて、遊ぶシーン別におすすめのボードゲームを12個厳選しました。
2人でじっくり遊びたい時から、大人数で盛り上がりたい場面、ちょっとした休憩時間にサクッと遊びたいケースまで、状況に応じた選び方ができるよう紹介していきます。
友達と2人で遊びたいとき
「2人だけで放課後に遊びたい」「部活前の待ち時間に楽しみたい」そんなときにぴったりなのが、2人専用または2人でも十分楽しめるボードゲームです。対戦型や協力型、心理戦など、2人用ならではの奥深さがあります。
1. ガイスター
心理戦の王道。相手の「オバケ」の正体を推理しながら自分の「良いオバケ」を脱出させるゲーム。シンプルだけど駆け引きが熱い。
2. クアルト!
共通のコマを使いながら、相手に勝ち筋を与えないように進めるパズル系の対戦ゲーム。2人で静かに集中したいときにおすすめ。
3. バトルライン
古代ローマを舞台にしたカードバトルゲーム。相手の出方を読みながら戦略を組み立てる、まさに知的格闘技。
これらはルールが比較的簡単で、遊ぶたびに展開が変わるので、飽きずに何度でもプレイ可能です。2人だからこそ味わえる濃密な対話と駆け引きを楽しみましょう。
3~5人のグループで盛り上がりたいとき
「みんなで大笑いしたい!」「盛り上がる遊びがしたい!」そんなグループ遊びにぴったりなのが、盛り上がり系のパーティーゲームです。高校生のテンションに合ったルールの軽さと、盛り上がりやすい展開が魅力です。
1. ナンジャモンジャ
めちゃくちゃな名前をつけて、叫んで、笑い合う爆笑系ゲーム。覚えきれない名前に脳が混乱するのが逆に楽しい。
2. ワードウルフ
言葉から“仲間外れ”を探すトーク系心理戦ゲーム。3〜8人で遊べて、何度やっても会話が変わるのが魅力。
3. たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。
即興で“セリフ”を作る大喜利的カードゲーム。笑わせたもん勝ちのノリが最高。クラスの人気者になれるかも?
これらのゲームはテンポがよく、笑いのポイントが多いので、教室やカフェ、部室など場所を選ばず楽しめます。「楽しかった!」が確実に残る鉄板ラインナップです。
授業のスキマ時間に遊べる超短時間ゲーム
「昼休みだけ」「10分だけ」でも大丈夫。そんな短時間でサクッと遊べるボードゲームも高校生には重宝されます。準備不要、説明も簡単、何度でも遊べるという三拍子揃ったゲームを紹介します。
1. キャット&チョコレート
お題に対して、カードの道具を無理やり使って切り抜ける“妄想力”ゲーム。短時間でも毎回違う面白さがあり、即盛り上がれる。
2. おばけキャッチ
瞬発力が命!カードに描かれた色と形の違いを一瞬で判断し、正しいコマを素早く取るスピード勝負。1プレイ2分でできる!
3. 犯人は踊る
「犯人」と「探偵」が入れ替わりながら進むカード推理ゲーム。テンポが良く、1回5〜10分で終わるのに盛り上がりは本格派。
これらはスキマ時間や昼休みにぴったりで、準備いらず、後片付けもラク。ちょっとした“気分転換”や“アイスブレイク”にも使える優秀なゲームばかりです。
思考力を鍛えたい人向けの戦略系ゲーム
「どうやったら勝てるかを考えるのが楽しい」そんな思考派高校生には、戦略型のボードゲームがおすすめです。長めのプレイ時間と深い思考が求められるゲームで、頭脳をフル回転させましょう。
1. カタン
資源を集めて街を発展させる超定番戦略ゲーム。交渉あり、戦略あり、運も味方につけるバランスが絶妙。
2. スプレンダー
宝石を集めて商人として発展する中量級の名作。ルールは簡単でも戦略は深く、計画力が問われる。
3. テラフォーミング・マーズ(火星の開拓者たち)
本格派向けの重量級ゲーム。火星を舞台に都市を発展させていくスケールの大きな戦略性が魅力。
これらのゲームは1時間以上かけてじっくり取り組むタイプで、ゲーマー気質の高校生にとっては最高の知的遊びになります。「頭を使った!」という満足感を味わいたい人におすすめです。
スマホでは得られない!ボードゲームが与える5つのメリット
「スマホと何が違うの?」という疑問に答えるために、ボードゲームが高校生にもたらすメリットを5つの視点から解説します。単なる娯楽を超えて、学びや成長につながる要素が詰まっているのがボードゲームの魅力。
ここでは、スマホでは得られないリアルな価値について、具体的かつ実感しやすい形で掘り下げていきます。
1. コミュニケーション力が自然と身につく
「話さないと勝てない」「話してこそ楽しい」――それがボードゲーム最大の特長のひとつです。スマホのように一人で黙々と完結する遊びではなく、誰かとの会話を通して進行するため、自然と「話す力」が身につきます。
特に対人型のゲームでは、自分の意見を伝えるだけでなく、相手の話を聞いたり、空気を読んでリアクションしたりと、実社会で役立つコミュニケーション力が求められます。「会話が苦手…」という人も、ゲームというルールがあることで話しやすくなり、無理なく輪の中に入れるのが大きな利点です。
また、「勝つためにうまく説得する」「あえて本音を隠す」など、高度な会話スキルも楽しみながら習得できます。こうした体験は、学校生活だけでなく、将来の面接やプレゼン、チーム活動などにも大きく役立ちます。
コミュニケーション能力は、一朝一夕では身につきません。だからこそ、ゲームという自然な形で“練習”できる場として、ボードゲームは非常に優れたツールなのです。
2. 論理的思考力・判断力が鍛えられる
「次に何をするべきか?」「どの手が最善か?」ボードゲームは常に考えながら進める必要があります。そのため、自然と論理的思考力や判断力が鍛えられます。
例えば、戦略系のゲームでは「どうすれば自分が有利になるか」を考えるだけでなく、「相手が次に何をしてくるか」「どの資源を残すか」「あえて今は動かないべきか」など、状況に応じた決断が求められます。
こうした「選択→結果→振り返り→修正」のサイクルは、論理的な思考を形成するプロセスそのものであり、勉強や受験、将来の仕事でも必要不可欠な能力です。
さらに、限られた時間や資源の中で「今、どの手を打つべきか」という判断力も問われるため、計画性や応用力まで養うことができます。ゲームで鍛えた頭の使い方は、試験の問題解決や情報整理など、学習にも好影響を与えてくれるでしょう。
スマホゲームのような反射的な操作ではなく、ボードゲームのような“考える楽しさ”を味わうことが、脳を活性化させ、知的好奇心を刺激する第一歩になります。
3. 感情のコントロール力が身につく
「負けて悔しい」「でも次は勝ちたい」。ボードゲームでは勝ち負けがはっきりと表れるため、感情のコントロールが自然と求められます。
特に高校生は、思春期特有の気分の波がある時期。そんな中で、「勝っても驕らない」「負けても怒らない」「仲間を責めない」といった“感情の抑え方”を遊びながら学べるのは、大きなメリットです。
また、「負けたら終わり」ではなく、「次にどうするか?」「相手のプレイから何を学ぶか?」という視点を持つことで、メンタル面でも成長が見込めます。これはまさに、スポーツや受験勉強と同じ「反省と成長」のサイクルであり、社会に出てからも役立つ重要な能力です。
さらに、協力型のボードゲームでは、他人の失敗にイライラしたり、自分の思い通りにいかないもどかしさを感じたりする場面もあります。そうした感情を“コントロールしながら場を壊さずに進める”ことは、チームで行動する力そのものです。
感情を表現することも、抑えることも、どちらも大切。そのバランスを“遊びながら”身につけられるのが、ボードゲームの隠れた魅力なのです。
4. 仲間との信頼関係やチームワークが深まる
「一緒に笑って、一緒に悔しがる」――そんな体験を繰り返すことで、仲間との絆は自然と深まっていきます。ボードゲームは、勝敗だけでなく、共通の目的に向かって協力したり、競い合ったりする中で、信頼関係やチームワークを育てるツールとしても最適です。
たとえば、協力型のボードゲームでは「誰かが失敗したらゲームオーバー」など、チーム全体での行動が鍵を握るケースも多くあります。この中で自然と「フォローし合う」「相手の意見を聞く」「責任を分担する」といった行動が生まれます。
また、対戦型のゲームでも、「勝っても嫌な感じを出さない」「負けても潔く認める」など、他者へのリスペクトが育ちます。ゲームという“非日常の舞台”だからこそ、本音が出やすく、相手の性格や考え方をより深く知ることもできます。
学校生活の中で、ただの「顔見知り」から「信頼できる仲間」へと関係が深まるには、こうした“共通体験”が必要です。ボードゲームはそのきっかけを作り、関係性に深みを与える強力な手段になるのです。
人間関係の土台を育てるのに、「遊び」という自然な形で関わるのは非常に効果的。だからこそ、ボードゲームが今また注目されているのです。
5. デジタル疲れを癒す“リアルな時間”を味わえる
「スマホから離れるだけで、心が休まる」。これは多くの高校生が実感していることです。常に通知が鳴り、情報が流れ続けるデジタル世界では、知らないうちに脳も心も疲れ切ってしまっています。
そんな中で、スマホを置いてボードゲームに集中する時間は、まるで“脳と心のリセットタイム”。画面から解放され、目の前の人との会話や笑い合いに没頭する時間は、何にも代えがたい癒しのひとときになります。
特にボードゲームは「今、ここにいる自分」を感じさせてくれるアクティビティです。手を動かし、声を出し、反応し合う――この“身体性”こそが、現代の高校生に不足しがちな要素。デジタルのような受け身ではなく、自分から動いて楽しむことが、心のリフレッシュにつながります。
また、ボードゲームの時間は「目的のない時間」でもあります。何かを達成するためでなく、「ただ楽しいから」「仲間と一緒にいたいから」という理由だけで過ごす時間が、心にゆとりを生みます。
この“リアルな時間”こそ、スマホでは味わえないボードゲームならではの価値です。高校生の今だからこそ、大切にしたい時間の過ごし方です。
自分たちで作ってみる!?高校生のボードゲーム自作体験談
「遊ぶだけじゃなく、自分たちでも作ってみたい!」という高校生が増えています。ボードゲームの面白さを知ったことで、「もっと自分たち好みのルールで遊びたい」「文化祭で披露してみたい」といった声が多くなってきました。
ここでは、実際にボードゲームを自作した高校生の体験を元に、「なぜ作ろうと思ったのか」「どうやって作ったのか」「作ってみてどうだったか」などをリアルに紹介していきます。
「こんなゲームあったらいいな」から始まったアイデア
「市販のゲームも面白いけど、もっと自分たちらしいのがほしい」。そんな思いから、ボードゲームづくりを始めた高校生たちは少なくありません。市販のゲームにはないテーマや、身近なネタを使ったルールにしたいという想いが、創作のきっかけになります。
たとえばある高校のクラスでは、「学校あるある」をテーマにしたカードゲームを作成しました。「遅刻ギリギリ」「昼休みの席取り」「先生にバレずにスマホをいじる」など、生徒にしか分からないネタが詰め込まれ、クラス内で爆笑の連続に。まさに「自分たちだけの楽しみ」が詰まった作品となりました。
また、「もっと協力できるゲームが欲しい」「勝ち負けがない平和なルールを作りたい」など、社会性や価値観に基づいたテーマを選ぶ生徒もいます。ゲームを通して自分の考えや感性を表現できるのも、創作ならではの魅力です。
「作ってみたい」と思った時点で、すでに創作の第一歩。ボードゲームの自作は、自由な発想を形にする楽しさを教えてくれます。
試行錯誤しながら完成させた制作プロセス
「作るのって思ったより大変だった!」。これは多くの高校生クリエイターが口を揃える感想です。最初はワクワクだけで始めたものの、ルール設計、バランス調整、素材の準備と、意外と細かい作業が多く、試行錯誤の連続になります。
最初に行うのは「ルールづくり」。これはゲームの核となる部分であり、「何をすれば勝ちなのか」「どんな行動ができるのか」を明確にする必要があります。ここで曖昧なルールがあると、ゲーム中に混乱を生み、楽しさが半減します。
次に行うのが「バランス調整」。強すぎるカードや不公平な展開がないかを確認するため、何度もテストプレイを行います。時には「このルールやっぱり変えよう」「この勝ち条件だと面白くないかも」と、ゼロから見直すことも。
素材の準備も重要です。紙や厚紙、マーカー、シールなど、家庭や学校にあるもので工夫して作る生徒もいれば、IllustratorやCanvaなどのデジタルツールを使ってデザインにこだわるケースもあります。
こうした一つ一つの作業が、完成したときの達成感に繋がります。「自分たちで作ったゲームで、みんなが笑ってる」のを見たときの感動は、何物にも代えがたい体験です。
文化祭・クラス会での「お披露目プレイ」体験談
「自分たちで作ったゲームを、みんなに遊んでもらう」。これは、高校生活の中でも特に思い出深い体験になります。実際に文化祭やクラスイベントでボードゲームをお披露目した生徒たちは、緊張と喜びの入り混じる特別な時間を味わっています。
ある高校の文化祭では、自作ゲームを模擬店のアクティビティとして導入。「来場者に遊んでもらう」という目的のため、ルールを分かりやすく掲示し、スタッフ役の生徒が説明を行いました。初対面の人にも伝わるよう工夫することで、コミュニケーション力も自然と磨かれました。
クラス内で行った「ボードゲーム大会」では、全員で自作ゲームをプレイ。作ったメンバーが進行役となり、参加者の反応を直接見られるのが醍醐味です。「めっちゃ面白いじゃん!」「これ、売れるレベルじゃない?」という声が飛び交い、大きな自信に繋がったといいます。
発表の場があると、「もっと良くしよう」「遊びやすくしよう」という視点が生まれ、改善意欲が高まります。そして何より、自分たちの“作品”が人を笑顔にする体験は、高校生活において忘れられない思い出となります。
作って分かった「遊ぶ」と「作る」の違いと面白さ
「遊ぶだけじゃ気づけなかった」。これは自作を経験した高校生たちがよく口にする言葉です。プレイヤーとして遊ぶだけでは見えなかった“作り手の視点”に立つことで、ボードゲームの奥深さを知ることができるのです。
たとえば、「なんでこのルールがあるのか」「このカードはバランスを取るためだったのか」など、既存ゲームに対しても理解が深まります。また、プレイヤーのリアクションに注目するようになり、「どうすればもっと楽しめるか?」を考える習慣がつくようになります。
これは、ものづくりにおける“共感力”や“観察力”の育成にもつながります。単に自分のやりたいことを押し通すのではなく、「相手がどう感じるか?」という視点で改善していくプロセスが、まさに実社会で求められる能力なのです。
さらに、制作に関わる中で、「自分の強み」に気づく人もいます。絵が得意な人はカードのデザイン、文章力がある人はルールブック、まとめ役の人は進行管理など、役割分担を通じてチームワークの重要性も学べます。
遊ぶだけでは得られない、「作るからこそ見える景色」。ボードゲームの創作は、高校生にとって、創造性と社会性を同時に育てる貴重な体験なのです。
まとめ|「つながり」を取り戻す遊びを始めよう
スマホがあるからこそ、リアルな遊びの価値が際立つ。今回紹介してきたように、ボードゲームは単なる「暇つぶし」ではなく、高校生の人間関係・成長・学びに多くの良い影響を与える存在です。
現代の高校生は、いつでもどこでも情報や娯楽にアクセスできる環境に生きています。しかし、それと同時に「顔を合わせて話す機会」「一緒に笑い合う体験」「相手を気遣う感覚」といった、人としての基本的な“つながり”が失われがちです。
ボードゲームは、そうした“忘れかけていた感覚”を思い出させてくれる力を持っています。ルールを通して対等に関わり、勝負を通じて相手を知り、笑いや失敗を共有する――その一つひとつが、確かな人間関係を築く礎になります。
また、「プレイする」だけでなく「作る」「発表する」といった経験を通して、創造力や表現力、チームワークまでも育てることができます。これらは教科書だけでは学べない、“生きる力”そのものです。
「スマホじゃ物足りない」「もっとリアルな時間が欲しい」と感じているなら、まずは身近な友達とボードゲームを一度やってみてください。最初は笑える軽いゲームでも、きっと新しい感覚が芽生えるはずです。
大切なのは、「一緒に同じ時間を過ごすこと」。それが高校生活という限られた時間を、より豊かで、意味のあるものに変えてくれます。
スマホの外にも、こんなに面白い世界がある。ボードゲームというアナログな遊びが、あなたの日常に新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。



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